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『The Quarry』ネタバレ無しざっくりレビュー

2022年6月10日に発売したSupermassive Games開発の『The Quarry(クアリー~悪魔のサマーキャンプ~)』、初見プレイを終了したのでゲーム全体の感想を書きます。
ストーリーのネタバレ無しで書くつもりではありますが、完全なネタバレ無しをご希望の方は本記事を読まない事をおすすめいたします。

当ブログ筆者は『Until Dawn~惨劇の山荘~』以来、Supermassive Gamesの大ファンで各作品をプレイして来ています。ここの最近の有名作品といえばダークピクチャーズシリーズですが、何故シリーズとは別にこれを制作したのだろう?とは正直感じました。プレイヤーの選択肢でキャラクター達の運命が変わるストーリー、操作、QTE等全て同じ感じです。そのかわり資料をよく読む必要性、物を掴む操作などは無く、より映画のように作られています。選択肢を選ぶシーン、QTEの頻度も過去作より少なめで見ている時間が多いです。がっつりゲーム感覚でプレイするとちょっとだるくなってしまうかもしれません。ちなみに初見プレイ時間は約8時間半ほど。1チャプターが40分~1時間くらい。
お値段少々お高めですが、グラフィックはとても素晴らしいです。キャラクターの表情の作り込みも過去作以上に凄いです。ゲームを買うというよりは映画を1本買う感覚で考えたほうが宜しいかと。

本作品は元々オンライン協力プレイに対応するはずでしたが、オンラインマルチのみ7月8日へと延期されました(オフラインco-opは可能)。ムービーモードとディレクターズチェアモードが搭載されているので、ソロで十分楽しめます。むしろ協力ゲームとして楽しみたい方にはダークピクチャーズシリーズを推したいです。
この開発が常にアピールして来ていたバタフライエフェクトはすっかり影が薄くなりました。

筆者がゲーム冒頭でショックで数分呆然としてしまったのが、音声日本語吹き替えのみ。セリフ量が多くキャラクター達の会話が飛び交うため日本語音声のほうがわかりやすいとは思いますが、本作品はキャラクターそれぞれにハリウッド俳優を起用しているため、演技そのままの英語のセリフも聞きたかったです。現時点で切り替えはできません。私はXbox版で遊びましたが、北米版に変更しても日本語音声のまま。本体の言語設定を英語にすれば当然英語音声になりますが日本語字幕設定はできません。

現時点で起こったバグらしきもの(Xbox版)は、シーン切り替わり(おそらく選択肢によって分岐しているタイミング)に画面半分が一瞬暗転になる時がありました。暗転ドーンかとドキリとします。字幕非表示にしているのにいきなり出るト書きっぽい字幕。演出ではないと思われる音声の強弱の不安定さがありました。同じ台詞が二度繰り返されたり。
また、操作パートで階段を昇り降りするシーンが何度もでてきますが、階段に引っかかりやすいです。

本作はキャンプに取り残された若者たちのホラー話ということで、新Until Dawn的なイメージを持たれている印象ですが、結論から言うとだいぶ違います。そこはかとないB級ホラー感を持った古典的ホラーがクセになるSupermassive Gamesの作品達ですが、本作はそんなにB級感でもありませんでした。どちらかというのNetflix映画みたいな感じ。前半の若者達のしょーもないやりとりや言動と、このシーンいるか?な部分だけB級感です。ちなみにB級ホラーでお馴染みのお色気シーンもほぼありません。時代ですね。そして、女性キャラが心身共に強めに描かれています。時代ですね。

グロテスク表現の程度ですが、私はグロ苦手なため通常版を購入したのでそんなえぐい演出はありませんでした。規制されてこれなのでしょうか?海外版は見ていないので私はわかりません。ただ、もしかして本来凄くグロいのでは?と感じるシーン演出はいくつかありました。デラックス版の特典に、よりグロになるモードが入っています。グロ好きな方はそちらをどうぞ。

毎回個性的なキャラクターが登場するSupermassive Gamesの作品ですが、今回はどうかと言うと、一周した感想だけではありますが、Until Dawnと比べてしまうとそれほど個性的な印象を持てませんでした。そのため「このキャラは絶対生存させる!」という感情移入がいまひとつでした。さらに言うと、このストーリーの本質が個人的に感情移入をしづらいテーマでした。
登場人物の人数は十分いるのに、何故かずっと感じる「あれ?誰か足りなくない?。とんでもなくうざいキャラがいなかったからでしょうか。こういった作品では序盤で大嫌いだったキャラにストーリーが進むにつれ愛着を持ったりしがちです。

突然の日本語吹き替えに動揺し冒頭イメージの薄いローズとマックス。
絶対にふざけないキンタロー。なケイトリン。
シンプル照英、ジェイコブ。
たまに仲里依紗、エマ。
色んなゲームのどこかで出ていた気がする、ライアン。
『ハロウィン(2018年)』でしょうもない役で見た顔、ディラン。
キスマイにいた気がするニック。
筆者の大学時代の友人に似過ぎなアビー。

何かこう全員が何故か薄い印象。ストーリーを通して個々の感情表現もわりと冷静なのです。これは日本語吹き替えしかないせいもある気がします。また別のルートを見れば感想も変わるとは思いますが、全員のっぺりしていました。私がのっぺりルートを選んでしまったゆえなのかもしれません。

『The Quarry』は、一つのゲームにそこまで時間をかけられない現代人に優しいムービーモード、各キャラクターの性格を設定してストーリーが展開されるのを見るディレクターズチェアモードが最初からあります。つまりは本作を買ってゲームを「プレイ」しなくても良いのです。今この記事を書きながらディレクターズチェアモードを流していますがなかなか良いです。真剣に選択肢を考えてプレイするも良し、設定して自動で展開されるストーリーをながら見でも良し。チャプターで分かれているので通しでやる必要もありません。ムービーモードで全員生存全員死亡両パターンを見ることができるので、何パターンも挑戦する必要がありません(分岐ものだとその挑戦が面白くもあるのだけども)。

配信者にも優しい配信モードもついています(音楽がロイヤリティフリー楽曲に置き換えられます)。この開発は楽曲の演出とチョイスが素敵なので、配信モードの楽曲も素敵でした。

また、QTEの難易度も細かく設定でき、回数制限はありますが失敗しても生き返れるシステムもあります。もうここまでくると選択でハラハラできるゲームじゃない。

至れり尽くせり、ずいぶんとユーザーに配慮した作りになっていると感じます。その点では積むことなく遊べるかもしれません。

【総合感想】
ストーリー前半がだいぶ退屈。盛り上がってきたと思ったところにトーンダウンする展開。ところどころテンポが悪く感じた。キャラクターは悪くないのにいまいち個性に欠けるため、選択肢を選ぶ際にまぁどっちでもいいか感が出てしまった(あくまで個人の感想です)。翻訳された選択分岐ものにありがちな、選択肢の日本語ニュアンスのわかりづらさと曖昧さが今作でも力を発揮。露骨なジャンプスケアはほぼ無し。サスペンスホラーではなくSFホラー。グラフィックと演出は素晴らしいがホラー”ゲーム”としては微妙。
ちなみに私の初見プレイは、一部シーンで操作がわからない間に1名お亡くなりになってしまいました。選択肢の結果死なせたとかじゃないから何か微妙な気持ち。
80年代ホラーを意識したホラー作品ということですが、やはり現代に配慮した演出のせいかガツンと来るものがありませんでした。たまにちょっと笑えるシーンがあるのはB級ホラー感があって良かったです。

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またネタバレバージョンの感想も書いていきたいと思います。

※Until Dawn時代は別のブログを運営していましたので当ブログではマン・オブ・メダン以降の記事しかありません。いつか過去のブログの記事を再編集してこちらに載せたいです。

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