リトルホープ、全員生還ENDと全滅ENDをプレイ後からストーリーの考察を始め記事を下書きして来ました。やっとまとまって来たので記事を完成させます。
現時点でPS4版の発売前ですが、もしもこの作品に興味がある方はぜひプレイ後にこの記事をお読み下さい。いずれ購入を検討しているという方もできれば読まないで下さい。何の情報も入れずゲームを楽しんで欲しいからです。
怖いのか怖くないのかストーリーを知りたいという方で、ビックリ系ゲームがとても苦手ならおすすめできません。精神的に来るやつは駄目という方もあまりおすすめできません。怖いもの見たさでちょっとプレイしたいという方はぜひストーリーをご自分の目で確かめて下さい。今作はホラーというよりもミステリーとオカルト色が強いです。
盛大なストーリーネタバレとなりますのでご注意下さい。
前作のネタバレも少し出てきます。
今回考察記事を書き始めた頃(11月上旬)海外の掲示板でプレイヤーの感想を読んでいました。だいぶ混乱しているプレイヤーも多く、「ラストが納得行かない」「結局どういうこと?」という声が目立ちました。私も最初にフレンドと初見協力プレイを終えた時は互いに「どういうこと…?」と呆然としました。そしてシングルプレイで再度プレイしているうちに、世界と物語が見えてきました。
本作では4つの世界が出てきます。考察の前にストーリーをざっくりおさらい(救済エンドをもとに書いています)。
ゲーム開始、ストーリーはここから始まります。
ダイナーから出てバスに乗り込む運転手。運転席には「野生の魔術」という本。本来通るはずだった道が事故で封鎖中のため迂回するよう警察官に言われ、運転手はLITTLE HOPEへバスを走らせる。不気味な森、運転手は落ち着かない様子。途中から乗客の話す声が聞こえるが、運転手はその会話で気が散ってしまい乗客に注意を促そうと少し視線を外した途端、道路の真ん中に立つ少女が現れ運転手は急ブレーキをかけハンドルを切り、バスは横転。
シーンは変わり1972年。とある家族の家。喧嘩をする夫婦ジェームズとアン。アンは末娘であるメーガンの素行に悩み夫と話し合いたくも、夫ジェームズは勤める工場の危機でストレスを抱えそれどころではなく自棄酒を煽りながら「本当の娘じゃないから」などと暴言をはいてしまう。メーガンに手を焼いていたアンは度々学校のカーソン牧師に相談していたようだが、メーガンはカーソン牧師の前で何度も暴れそうになった事があったようだ。
そんな夫婦喧嘩はいつものことのようで、子供達であるアンソニー、デニスも呆れた様子。恋人に送られて帰宅したターニャも「こんな家早く出たい」と。メーガンは母アンに話をしようとしたが「ゆっくりお風呂に入りたいから」と浴室の扉を閉められ、リビングで見ていたアニメも父親にチャンネルを変えられふてくされ、床に置いてあったデニスのレコードを踏んづけて自室に戻る。ターニャが様子を見に行くとメーガンが”まるで誰かと話しているかのように”人形を握りしめながらブツブツと独り言を言っている。「私のことが見えていない」「誰も私の話を聞いてくれない」「みんな私のせいにする」と。
その頃キッチンでマッチを使いやかんを火にかけていたアンソニーは、メーガンの部屋に続くバルコニーの扉が開かなくなってしまい助けを求めるターニャの声で外に出る。その隙にメーガンは沸かしたままのやかんを見ながら「あなたの言う通りかもね…」と呟く。その隣には爪が伸びた謎の黒い影が。その直後、先程までメーガンが持っていた人形が何故かコンロの横に座る形で置かれており、倒れた拍子に火がつきさらに床に落ち瞬く間に家は炎に包まれてしまう。
浴室に閉じ込められたアンは煙を吸い込み倒れ、リビングでうたた寝していたジェームズはアンソニーが必死に窓から合図を送るも逃げ遅れ落ちてきた天井の下敷きに。アンソニーから逃げろと言われたメーガンは何故か階段をあがっていき炎に包まれ、レコードを天井裏で片付けていたデニスは脚立が倒れた為に天窓から出て雨どいを伝って逃げようとしたもののフエンスの上に落下しフェンスが貫通。バルコニーからの窓から室内に入ったターニャはバックドラフトに遭う。
自分以外全滅し手に握りしめたマッチを見ながら愕然とするアンソニー。隣人の男性が声をかけるも、アンソニーはまだ燃え盛っている家の中に飛び込んで行った。
再び世界は横転したバスの場所に戻る。投げ出されたものの無事だったバスの乗客達。脳震盪を起こしやや記憶があやふやなアンドリュー、その顔は1972年の家族にいたアンソニーと似ている。そして大学教授のジョンはアンソニーの父ジェームズに、社会人学生のアンジェラは母アンに、大学生のダニエルはデニスに、テイラーはターニャに似ている。行方不明のバスの運転手を探しゴーストタウンとなっているリトルホープから脱出するための方法を探しに協力しながら進む大学チーム。
途中のバーで会った謎の初老の男性ヴィンセントは、アンドリュー達の話をろくに聞いてもくれず、どこか奇妙なものを見るように相手にしてくれない。そしてチームは森を彷徨う中、何度も赤いベストを着た謎の少女を見かける。その少女はメーガンに似ていた。
リトルホープの至るところに魔女裁判の歴史が残っており、ポペット人形が置いてあった。アンドリューは途中途中立ち寄るリトルホープの廃墟に見覚えがある気がしていた。
謎の少女が現れて以降、大学チームである主人公達は度々1692年の世界へ引きずり込まれてしまう。その世界に現れる人物も皆主人公達に瓜二つで、互いに互いの姿が見え声も聞こえ意思疎通ができている。魔女裁判が盛んな時代、町の信頼を置かれているカーヴァー牧師はメアリーの言葉をもとに「悪魔がついている」と次々に無実の人々を拷問し消していく。17世紀の世界に入り込んだ主人公達は何とか自分達のそっくりさんを助けようとするが、そっくりさん以外には姿が見えていないために余計にカーヴァー牧師に悪魔扱いされてしまう。
アンジェラに似たエイミーは湖に沈められ、テイラーに似たタバサは火に炙られ、ダニエルに似たデイビッドは教会の上から柵に落とされ、ジョンに似たジョセフは岩の重しを乗せられた。
自分たちに瓜二つの人物がむごいやりかたで消される瞬間を強制的に見せられる主人公達。そしてそれを見た後、1692年の時代に処刑されたそっくりさん達がクリーチャーのような姿でそれぞれを襲ってくる。それらから必死に逃げる主人公達。途中で何度かバーで会った男性ヴィンセントが声をかけてくるが、彼にはクリーチャーが見えていないようだ。
魔女裁判で兄姉や隣人が処される様を平然と見つめるメアリーではあったが、主人公達に「私のせいではない」といった救いを求めて来る。メアリーに異様に執着しオカルト的信仰を熱心に説くカーヴァー牧師に疑問をいだきつつも、仲間は「謎の少女=メアリーであり、諸悪の根源はメアリーではないか?全ての鍵を握るのはあの子だ」と考えるがアンドリューは「それで解決するとは思えない」と考える。
アンドリュー以外の仲間たち全員分のクリーチャーとの格闘ののち、謎の少女に導かれるように一軒の廃屋に入り、再びアンドリュー達は1692年の世界に引き込まれた。
メアリーも魔女であるかどうかの最後の裁判が行われており。アンドリューにそっくりな1692年の青年エイブラハムは最終的判断をアンドリューに託す。アンドリューは博物館の廃墟で見つけた、オカルトに陶酔した内容を書き込んでいたカーヴァー牧師の聖書を証拠として、メアリーではなくカーヴァー牧師が裏で操っていた黒幕であるとワイマン裁判官に伝え彼は追放され、メアリーはアンドリューに「守ってくれてありがとう。この事は一生忘れない」と抱きついた。
1692年の世界から現在に戻ったアンドリューは仲間たちと共に廃屋を出て夜明けと共に歩いた。そこにヴィンセントが現れ、アンドリューに「おまえは悪くないからな。俺たち2人とも酷い目に遭ってきた」と話し、「この先にダイナーがあるから電話を使え、そしてここには二度と戻ってくるな。もう用はないはずだ」と言う。
ダイナーに到着し、無事に生還し喜びの言葉を次々に話す仲間達。アンドリューは晴れない顔で「僕のせいであんなことになって本当にごめん」と話す。ジョン、アンジェラ、ダニエル、テイラーは「あなたは悪くない」「自分を責めないで」と励ましの言葉をかけながら消えて行き、アンドリューの姿は左耳に火傷の痕があるバスの運転手へと変わった。
バスの運転手アンソニーは「全員で逃げられてたらと思ったけど…」と呟きながら複雑な表情で立ち尽くした。そして思い出す、ヴィンセントは姉ターニャの恋人だったと。バスに乗客はいなかった。アンソニーは自分が作り出した”アンドリューと大学の仲間達”と話し、”たった一人”で真夜中のリトルホープを彷徨っていたのだった。
ストーリーは以上です。さて考察に入っていきます。
上記4つの世界(プレイ中は3つの世界と思っている)が混ざり合って出現することで、プレイヤーは「全てが起きた出来事?前世?生まれ変わりじゃないの?」と、特に初見では混乱しがちです。
現実だったのは画像1と2だけなのです。つまりアンドリューの世界と1692年の世界は全てアンソニーの妄想です。
プレイヤーは何とか1692年のターンと大学生達のターンを救おうとする、もしくは真実をつかもうと選択肢を進めて行くと思います。しかしそれがどうあがいても夢オチ(妄想オチ)な結末を迎えるため、人によっては納得行かないと思うかもしれません。実際に海外プレイヤーの感想にも「前作も結局幻オチだったし今回も夢オチで最悪」という意見がありました。しかしこれは決して「単なる夢(妄想)オチ」ではないと私は感じています。
この物語は、アンソニーの心の傷を解放させる物語だと思いました。
ストーリーを書いていたら随分と長くなってしまったので#2に続きます。